イベント情報
2019.06.30
2019年6月15-16日にツインリンクモテギで開催された "Enjoy耐久レース" 通称 "Joy耐" に、DJ、ミュージシャン、ラジオパーソナリティ、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員と多方面で活躍中のピストン西沢選手が出場!ご本人からの参戦記をどうぞご覧ください!
こんにちはピストン西沢です。毎年夏に行われるもてぎのエンジョイ耐久7時間レースに、今年はなんとレースの名門クスコと組んで参戦することができました。このクスコはナンバー付きの車のパーツでよく買っていたブランドですが、クスコのレーシングカーに乗るのは初めてです。ただしクルマは西沢が持ち込んでクスコのパーツを組み込んでもらったお手軽クスコで、全日本などのいろいろな国際的競技で活躍するマジなクスコとはちょっと違うのですよwww...ベースはN1のフィットのレースカーで、これを少しだけ改造して、いつでもN1に戻せる仕様で戦う事にしました。まずフロントタイヤをオーバーフェンダーもつけて太くして、サスペンションとサスペンションアームをピロに変更!これで太いタイヤをがっちりグリップさせながら走れるようになるはず。
迎えた公開テストは雨で、結局クルマの戦闘力や問題はわからず?これがあとあと足を引っ張ってくるんですが、その後何回かテストを行っていくうちに、だいぶ仕上がってきました。しかしそもそもこのレースは速ければいいわけではありません。1番大事なのはガソリンの消費量とタイムのバランス。7時間で155周程度走れるようにペースを考えていかなければいけません。
ルールとしては最初のスタートの時に30リットルのガソリンを入れ、その後1回ピットインするごとに30リットルずつガソリンスタンドで給油するのですが、そのたびに10分から12分のハンディキャップストップをビットで消化しなければいけません。ピストン西沢の29号車「ガルフ・クスコ・みんモーフィット・エンドレス」はN2クラスなので、ハンデも多く12分です。対して優勝候補のN1のフィットは10分のストップ。単純に3回給油すると、そこで6分のビハインド、4回だと8分のビハインドを取り返さなければならなくなります。するとN1より1周あたり2~3秒速くないといけません。これはきつい!そこを考えて安定したタイムで走れるこの車は、2分28~30秒弱のペースで走り、3回の給油を行う作戦を採用。事前のテストではいい所もあったので、本番が楽しみになってきました。
レース直前の金曜日に最後のセッティング走行で燃費を確かめます。これまで西沢はほとんど走っていないので、まずはクルマになれるところから。しかし自画自賛!!!さすがはピスちゃんってなもんで、後付けの燃費系6.3狙い通りの数字で28秒台を連発させながら快調に周回。ピットに戻ってきてガソリンタンクに乗って残った連量を調べてみると、ほんの少しだけ多く使いすぎているようです。この後付けの燃費計が曲者で、計るたびに違ううえ、去年はレース中にパンクして、最後はガス欠泣。しかしこれしか判断材料がないので、とりあえずはこの乗り方で、アクセルを踏む量を少し減らせば想定のタイムと燃費になるということでまずは一安心。
それより問題はリアがタイヤの横サイドの剛性の弱さか?荷重がかかると跳ねて跳ねてなかなかアクセルを踏めません。足のセットを大きく変更して午後の走行に挑むと、リアの跳ねが収まり運転もすごくしやすくなったんですが...難しいですよね。タイヤには非常に厳しくフロントタイヤのグリップがみるみる落ちてきます。ころがり抵抗が増えた分もあるのでしょうか?燃費もこれまでになく悪くこれは不採用。やはり午前中の跳ねるセットで、人間が我慢しながら乗ることしかこの時点からはなさそうです。時間さえあれば色々と詰めたいのですが、参戦決定が遅かった上、ここで最初の公開練習が雨だったことが効いてきました。
その夜は居酒屋でみんなで夢を語りながら早めに就寝し良い日を迎えたのが予選の朝。この朝は6月の中旬としては驚くほど寒く、路面温度は20度程度。体も凍えて指先がかじかむ寒さで、そんな中かなりの量の雨が降っており、まず1この路面に合ったレインタイヤを持っていない。2ライバルたちは持っている。3レインのデータなんてねーよ! ということで、午前中のフリー走行でとりあえず走ってみます。雨はそこそこ強く、西沢が2分32秒を記録しましたが、N1のフィットは28秒!!!あ~あ...予選はかなり厳しそうです笑。Aドライバーのピストン西沢が、午後の予選を走る頃には雨の量はピークとなり、コースには至るところに川ができ、ハイドロで車がまっすぐ走りません。その画像は見てもらう事として、結局午前中のテスト走行から2秒落ちの2分34秒台で順位はまだしも、命からがら何とか予選を終えました。
続いてBドライバーの予選です。今回もBドライバーは長年コンビを組んでいる高橋しげる選手です。西沢と同じくワンメイクレースや、スーパー耐久、ドリフト競技などで長く走っているドライバーで、速くてそつなく水も飲まないで長い間走れる使い勝手の良いドライバーです笑。高橋選手がコースインのころには雨も減り、渾身のアタックが32秒台。総合順位では21位に入りました。N1のフィットは27秒を出して、総合3位に入る速さ。まじすごいっす!その夜は居酒屋で再び夢を語り、早めに就寝。
いよいよ迎えた決勝の朝全部で走る台数は71台といつもよりだいぶ少ないのですが、それでもグリッドにはたくさんの車が並びます。作戦としては西沢がまず走り、そして高橋選手に交代。さらにもう一度西沢選手がロングを走り、さらに高橋選手に交代して、最後はドライバー交代だけを繰り返して、3回の給油と5回のドライバー交代をこなして7時間を戦うというもの。しかしレースはどうなるかわかりません...臨機応変な対応で7時間を効率よく走ろうと思います。
まず西沢がスタートして、しばらくは混戦が続きアクセルを踏みたくないのに少し多めに踏んでしまう葛藤と戦いながら、40周弱を走ります。そこで後付けの燃費計頼みの燃費は想定通りの6.3を記録。タイムは28秒台も出ていたんですが、新品タイヤを使ってのスタートでは、思いのほかグリップダウンが激しく、最後は32秒まで落ちてしまい、そこで高橋選手と交代。高橋選手はユーズドタイヤで、好調に周回を重ねます。そこで1台の車がコースアウトしたのをきっかけにイエローコーション!ペースカーが入った時を逃さず、高橋選手がピットイン。ガソリンを補給して、すぐさま西沢と交代。そこでの高橋選手のコメントは驚くもので燃費が6.7で28秒を連発したうえ、これでもだいぶ抑えていますよと言うではありませんか!。ええええ~あんた!そんなに運転上手いの?ってことで西沢も頑張らなきゃならんなぁと再びコースイン。
ところで、当日の天気は明け方まで降っていた雨が乾き、路面の温度もぐんぐん上昇し蒸し暑いの一言。正直おっさんになって、久々のちゃんとした耐久レースとあって、西沢の体力に不安があったんだんだすが、乗ってみたらなんのその。以前と変わらず良いペースで気持ちよく走れたのに自分でもびっくり!同い年の山田英二選手がまだまだ現役でバリバリ走っているって言うことで、これは1つの励みになるってもんだぜ。
肝心のタイムと燃費は最初のセッションとうってかわりいちど熱を入れたタイヤが調子が良く、28秒から30秒のラップでぐいぐいコースを回ります。走りながら後付の燃費計を見てみると、なんと6.7から6.8になったではないか!これはすごい俺は天才かとセナの再来か!山田英二の生まれ変わりかって、あいつ死んでね~からwwwと勘違いをしながら走っていくと、いつの間にかトップに浮上。そのまま走ると燃費計はどんどん伸びてなんと6.9になった頃には、さすがの能天気な西沢もこれはおかしいなと気がついた時には後の祭りってことで...西沢の2回目のロングのスティントが終わりピットインして燃費がよすぎると報告すると、メカが燃料タンクに入っている残りの燃料を計測。するとなんということでしょう?想定した予定の燃費よりかなり悪いことが判明。これでは残りの周回を走り切れないと言うことで、高橋を送り出した後もう一度作戦会議をして、残念ながらチームは4度目の給油を決断。場内アナウンスでは優勝候補の一角の29号車が、なんと想定外の4度目のピットイン!これはどうしたことでしょうかと言っているが、それはこっちのセリフだっつーの。
結局そのままレースは終わり、優勝はエヌワンのフィット。我らが「ガルフ・クスコ・みんモーFIT・エンドレス」号はトップと3周の差がついてしまい、総合19位。これじゃ賞金どころか、栃木の名産品ももらえやしねぇ。来年はきちんとエンジンに噴射する燃料の量を数えるか、残りのガソリンタンクの量を測る方法を考えるか、色々手をかけて車も早いうちからデータをとってクスコの名前をつけたレーシングカーで優勝したいなぁと思う西沢でした!
|ピストン西沢選手、JOY耐参戦記!| |