クスコ・ワールドラリーチーム
2014.11.13
炭山 / 加勢組が3度目のアジアカップチャンピオンに!
マイケル・ヤング選手は2年連続タイトル3冠達成!
2014 FIAアジア・パシフィックラリー選手権(APRC)最終戦となる第6戦チャイナラリー龍遊(ロンユー)が11月7-9日中国浙江省龍遊を拠点に開催された。
CUSCO RacingはAPRCシリーズ最終戦となるこの中国戦に、アジアカップタイトル奪還を目指す炭山裕矢(すみやま ゆうや)/ 加勢直毅(かせ なおき)組のスバルWRX STI(GRB)グループNと、ジュニアカップ、2WDカップを既に獲得し、残るプロダクションカップタイトルで3冠を目指すマイケル・ヤング/マルコム・リード組のプロトンサトリアネオをエントリーした。
炭山 / 加勢組はアジアカップ緒戦のマレーシアでは2位、第2戦のラリー北海道では1位と、確実に高ポイントを重ねてシリーズ首位でこの最終戦を迎えた。炭山のタイトル確定条件はこのラリーでのアジアカップ1位獲得かつ、ライバルのガウラブ・ギル選手が3位以下の場合に限られるが、ギル選手は改造範囲の広いシュコダファビアS2000での出走の上、12月に開催されるアジアカップ単独開催のタイランドにもエントリーしているため、ギル選手に有利な条件がそろっている。しかしチームは2010年・2012年に獲得したアジアカップ奪還のため高いモチベーションと万全の体制でこのラリーに臨んだ。
写真左から
マイケル・ヤング選手、マルコム・リード選手、炭山裕矢選手、加勢直毅選手
APRCのイベントはほとんどがグラベル路面だが、この中国戦では舗装路面のステージを多く導入している。ただし、同一セクションでの舗装路面率は最大60%までで、ひとつのセクションすべてを舗装単一の路面に設定することはできない。このラリーで使用される舗装はコンクリートで非常に滑りやすいため、グラベルとのミックス路面でのマシンセッティングやタイヤ選択は、このラリー最大の難関とも言える要素だ。
ラリーは11月7日(金)龍遊市内でのセレモニアルイベントに続き、1.82kmのスーパーSSを走行。翌8日には、16.35km(グラベル)、13.20km(ミックス路面)、22.76km(舗装)の3SSを2回ループする6SSが設定。翌9日のレグ2も、20.05km(ミックス路面)、14.30km(ミックス路面)、22.30km(舗装)の3SSを2回ループし、総ステージ距離の50%以上が舗装路面の計13SS、総ステージ走行距離は219.74kmとなった。
炭山はこれまでこのラリーに5度参戦し全て完走、2010年にはAPRC優勝も果たしている相性の良いラリーだ。しかしライバルはS2000マシン、グループNマシンで真っ向勝負できる相手ではない。これまでの2戦同様、昨年のヨーロッパ選手権チャンピオン、ヤン・コペッキー選手、そしてAPRCディフェンディングチャンピオン、ガウラブ・ギル選手の2台のS2000マシンに次ぐタイムで走り続けることが最重要課題となる中、その目標通りSS1から3番手タイムをマークする。翌日は朝からの雨でウェットコンディションとなる中、SS2以降でも確実に3番手タイムをマークし、4位以下の選手を大きく引き離していく。するとSS5でギル選手がコース上の石によりフロントのサスペンションを破損、続くSS6で走行不能となりリタイヤとなってしまう。これで2位に浮上した炭山はアジアカップのタイトルを視野に入れつつも、翌LEG2でもペースを落とすことなく、SS11ではコペッキー選手を上回るタイムもマーク。集中力をフルに発揮し、最後まで速いペースを維持しがら全くのノートラブルでラリーをフィニッシュし総合2位、アジアカップ1位で見事3度目のアジアカップタイトルを獲得した。
ヤング選手はSS2でのパンクで大きくタイムをロスするものの、それ以外のステージでは4WDターボマシンをも上回るタイムで走行。ギル選手、そしてランサーEvo.Xのペダー選手のリタイヤもあり総合3位でLEG1を折り返すと、LEG2でもそのポジションを堅守。炭山に続く3位フィニッシュで、APRCフル参戦のグループNマシンで争われるプロダクションカップを獲得。見事2年連続でAPRCタイトル3冠を達成した。
この中国で炭山のアジアカップ奪還、ヤング選手の2WDカップ、ジュニアカップ、プロダクションカップ獲得と、CUSCO Racingは今季の目標をすべて達成して、2014年のAPRC活動を締めくくった。
このラリー併催の中国選手権で亡くなられた台湾人ドライバー Xie Chengxun選手のご冥福をお祈りいたします。
2014 APRC第4戦 マレーシアレポート
http://www.cusco.co.jp/motorsports/wrc/aprc_rd4_repo-to.html
2014 APRC第5戦 北海道レポート
http://www.cusco.co.jp/motorsports/wrc/_2014f.html
CUSCOにとってモータスポーツは開発、実験の現場です。
ワークスチームである CUSCO Racing から参戦するマシンはすべて自社製作のマシン。
そこに使われるパーツの設計から製造まですべて自分達で行い、モータースポーツの現場でテストする。
常に「もっと速く」「もっと使いやすく」「もっと丈夫に」と開発された製品は今、
世界中のクルマ好きの人々から本物として認められています。
CUSCO は大好きなモータースポーツを通じた製品の研究開発を37年前の創業時からずっと続けています。
|APRC中国レポート 炭山がアジアカップタイトル奪還!| |