スーパーGTレースレポート
2007.12.31

●SUPER GT 第8戦 決勝(オートポリス)
・最後尾から粘り強く追い上げて12位まで進出
午前10時過ぎから行われたフリー走行では、午後の決勝に出走するために、青木孝行選手が(予選通過に充分な)タイムをマークすることが最優先。普段なら山野哲也選手でピットアウトし、途中で青木選手に交替するところだが、今回は、先ずは青木選手がステアリングを握ってピットアウトしていく。計測1周目に1分56秒台をマーク。この時点で土曜日に行われた公式予選でも充分に通過基準をクリアしていたが、青木選手はさらにペースアップ。2周目に53秒台に入れると、3周目には1分52秒972をマーク。結果的にこのセッションで4番手に着けることになった。青木選手は4周目にピットに戻ってくるとピットにマシンを入れる。
実は、公式予選でのクラッシュの後、オイルラインのフィッティングなどに圧を掛け、ちゃんと走ったのはこれが初めて。滲んでいたオイルが熱せられ白煙を上げたこともあり、念には念を入れてマシンチェックするためだ。ただし、タイミング良く(?)赤旗が出されてセッションが中断。運も巡ってきた感があった。その後、山野選手に交替しピットアウトしていく。決勝のスタートを担当する山野選手だが、こうしてマシンの最終チェックができ一安心、といったところだった。
スタートはいつものようにローリング式。だが、前方集団でタイミングを取り損なったか、前車と必要以上に間隔を取るマシンもあり、ポールからは大きく引き離されてのスタートとなった。ここから、山野選手の猛追が始まるはずだったが、少し思惑とは違った展開となる。山野選手は、1分54秒台をベストに55秒台コンスタントで周回を重ねていくことになるが、「気持ちでは、もう少し速く走りたかったし、走れると思っていた」と山野選手もコメントしていたが、上位陣に比べて少し速さが足りなかったのは事実。もちろん、後続集団の中では速いペースで周回していたのだが、コース幅の狭いオートポリスでは、なかなか簡単にパスできない。しかも、スタートして数周でGT500クラスのマシンが後方に現れ、呆気なく周回遅れにされてしまってからは、後方にも充分な注意を払っておく必要もあり、基本的にはポジションキープの展開となった。 それでも、粘り強く周回を重ねていった山野選手は、クラス15位までポジションアップした24周目、少し早めにルーティンのピットインを行った。計算では、代わった青木選手が35周近くを走ることになるが、これは新たなチャレンジでもあった。シンメトリカルAWDを最大の特徴とするタイヤに優しいマシンだけに、ロングラップもコンスタントに走れるはず。そのデータを蓄積する上でも、後半のスティントを担当した青木選手の任務は重大だった。そのチームの期待に応えるように、青木選手はステディに周回を重ねていく。そして上位陣の脱落でポジションを上げていくパターンは、前半のスティントを担当した山野選手と同様だったが、残り10周余りとなったところで、ポイントまであと一歩、の12位に進出する。
そこから先は、やはり簡単ではなかったが、それでも、青木選手は最後の最後までペースを崩すことなく周回を重ねていく。だが、この頃から兆候を見せていた駆動系のトラブルが段々酷くなっていき、僅かに、チェッカーまであと半周となったところで力尽きてストップ。残念ながらチェッカーを受けることなくレースを終えることになった。それでも、ほぼ完走に近い周回を消化し、充分なデータが蓄積できた。次回はシーズン最終戦の富士だが、このレースだけでなく、来シーズンにも繋がる、大きな1戦となったのは事実だ。
●スタッフボイス:大溝敏夫監督
●ドライバーズボイス:山野哲也選手
●ドライバーズボイス:山野哲也選手 |
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|Rd.8/決勝 Round 8 オートポリス| |