スーパーGTレースレポート
2007.03.17
2007.03.17


熟成に向け着実な一歩を記したシンメトリカルAWD 開幕戦の決勝、先ずは完走。ポイントに手が届くか・・ いよいよ07年のAUTOBACS SUPER GTシリーズが開幕した。オープニングゲームの舞台は鈴鹿サーキット。2週間前に全チームが一堂に会して合同テストが行われた。その合同テストでアンダーステアに苦しめられたクスコDUNLOPスバルインプレッサは、金曜日の特別スポーツ走行(公式練習)からトラブルフリーで走行を続け、土曜日に行われた公式予選は17番手グリッドで決勝に臨むことになった。 金曜日には午前と午後で2回の走行セッションが設けられた。1回目のセッションは午前10時15分から90分間でGT500クラスとGT300クラスの混走。2回目のセッションは午後2時15分から午後4時までで最初は両クラスが混走した後、各クラス15分間ずつの専有走行時間が設けられていた。クスコDUNLOPスバルインプレッサは、午前中が2分07秒220でクラス16番手、午後が2分07秒322でクラス15番手。ポジション的にもタイム的にも、なかなか中団グループから抜け出せないままだったが、合同テストで苦しめられたアンダーステアに関しては解消され、大きくセットアップが進んだ。 一夜明けた土曜日には公式予選が行われた。午前中のセッションでは、最初に各クラス20分間の専有走行があり、最後の20分間が混走というスタイルは従来通り。ここでベスト10に名を連ねたチームは午後のスーパーラップに進出するのも同様だ。専有走行の時間帯に、先ずは山野哲也選手がマシンに乗り込んでタイムアタック。混走時間には青木孝行選手が乗り込み、予選通過基準タイムをクリアーしつつ本番セットを追求する作戦だった。 最初のニュータイヤで2周目に2分06秒954と、前日、どうしても破れなかった07秒の壁をあっさり突き破ると、2セット目のタイヤに履き替えて山野選手が再度アタック。7周目にベストタイムとなる2分05秒469をマークした。混走時間帯には青木選手が走行し、07秒台に入れてあっさりと予選通過基準タイムをクリアー。この時にはタイヤのライフに対して少し厳しい状況となったため、決勝に向けたセットを煮詰める午後のセッションではセットを変更。タイヤに優しいサスペンションのセットを探り出すことができ、決勝に向け準備は万端整った。 ![]() ●スタッフボイス:荻久保監寛テクニカルディレクター 「AWDにコンバートして(デフも3個になって)パラメータが増えた分、クルマの熟成が難しくなっています。それでも、およそ8割方は埋めてきて、何とか出口が見つかった感じです。タイヤをダンロップに履き替えて、径も前後同サイズに変更するなど、今シーズンはスペック的に大きく変更してスタートしたのですが、何とか去年までのレベルに戻った、そんな状況です。もう少し詰めていって、スーパーラップ進出に絡む(=予選10位前後)ようになりたい。明日の決勝は、まずは完走ですね。」 ●スタッフボイス:山中芳樹チーフエンジニア 「前回の(鈴鹿の合同)テストでは、アンダーステアに苦しめられましたが、今回は良い方向に向かっています。午後のセッションでは決勝に向け、タイヤに優しいセットを探ってみたんですが、こちらも良い回答を見つけることができました。明日の決勝ですが、まずは完走。そのためにも、イレギュラーなトラブルが出ないよう、この後、各部をチェックしていきます。今回は、ここまでトラブルフリーだったので作業のメニューとしては、通常のものですが、ドライバーからクラッチのフィーリングが気になった、と報告があったので、その辺りは重点的にチェックしておきます。」 ●ドライバーズボイス:山野哲也選手 「今日のアタックは、上出来だった。AWDになってのベストタイムだったし、各セクターのベストを繋げてのベストラップだったので、現時点でのベストパフォーマンスを引き出せたんじゃないかな。他車も速くなっているのでポジション的には物足りないけど、進化の度合いで見ると、好い線行ってると思う。テストの時もそう思ったけど、やるべきことはまだまだ沢山残っている。でも時間がない中で、足(サスペンション)もデフも・・・それにジオメトリーまで含めて様々なトライしてて、とてもチャレンジングなメニューをこなしてる。チームスタッフはとても精力的に働いてくれてるから、雨の助けを借りてでも、今年中に何とか1勝したい。それがチームの士気を高めることにもなると思うから。それで来シーズンはドライでも勝てるように、というのがボクが描く青写真。決勝では、守りながらも何とかポイントに手が届けば、と思っています。」 ●ドライバーズボイス:青木孝行選手 「これまでトラブルの出たところはキッチリ対処されていて、クルーの動きも良くなってきて、いよいよ開幕だなと感じています。今日の予選では、決勝セットを詰めていきました。午前中のセッションでは少し厳しかったのですが、午後のセッションでフロントタイヤに優しいセットを見つけることができました。決勝でも充分、戦えると思います。」 ![]() 開幕戦恒例の行事、ドライバー全員集合!! ![]() その上の写真の舞台裏はメディアでいっぱいだ。 ![]() 長蛇の列でピットウォークの開始を待つ観客。
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![]() 公式練習の金曜日も朝礼から始まる。 ![]() 公式練習の合間もピットシュミレーションで確認。 ![]() ![]() エンジニアにマシンのフィーリングを伝える青木選手。 ![]() ピットの雰囲気も一新された。 ![]() 土曜日の早朝、公開車検を待つNo.77 ![]() ドライバーもレーシングスーツも一新。山野哲也選手(左)青木孝行選手(右)
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|Rd.1/予選 Round 1 SUZUKA 300 GT| |