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クスコ・ワールドラリーレースレポート

皆さんこんにちは、キャロッセの柳澤です。

 今年のAPRCもいよいよシリーズ最終戦となりました。
今回は、優勝を目指して気合を入れて臨んだチャイナラリーの模様をお伝えしましょう。

今年のチャイナラリーは珍しく昨年と同じロンユウという場所で開催され、ラリーコースの方もほとんど同コースが使用される。毎年開催場所が変わってしまうので車のセッティングデータが活かせなかったが今回は昨年のデータが活かせるのでチームとしてはありがたい。ところが今年のロンユウは昨年とかなり違うところがある?何が違うかというとそれは天候だ。昨年のロンユウは着いてから準備、レッキ、本番中を通して全て曇りか雨。昨年聞いた話では『この時期は雨季なので毎年こんな感じの天気だよ』との事だったが今年は先に現地入りしたメカニックの話でもまだ雨は降っていないよう。実際自分が現地入りしたときも雨は降っていなかった。
とは言うもののもちろんドライバーとしては昨年の超スリッパリー路を走るよりドライを走った方が安全で楽しいからOKなのだが、、。ただし事前準備ではウェットを想定してウエットタイヤをメインに考えていたのでせっかくの準備もこの天気では無駄?になりそうだ、、。
案の定、事前テスト、レッキを含め雨らしい雨は全く降らないまま本番を迎える事に、、。
もちろんドライタイヤが無いわけではないし事前に現地テストも行え、車、セッティングを含め準備は問題なし。SS1本目から全開OKだ。

今回のラリースケジュールは金曜の午後にセレモニアルスタートとスーパースペシャルステージ(SSS)を行い、土曜日Leg1、日曜日Leg2でゴールという予定。
最終戦だし、全車全開モードが予想され、チャイナ国内戦に参加している各国の有力選手とも一緒に走れるしとても楽しみなラリー。『全開で行くぞー』

そして迎えた金曜日のセレモニアルスタート。場所は昨年と同じダートラ場のような所で多くのギャラリーが入ってお祭り騒ぎ状態。さすが中国!
このステージはSSSなのでまずは肩慣らし、、といったところだが2台並走するこのステージはどうしても気合が入る、さらに対戦者はラリージャパンGr-N優勝のカツ(田口選手)。気合が入らないわけが無い、、。
そしてもちろん全開でスタート。しかしフライングアンパイ、タイミングスタートで出遅れてしまいギリギリタイミングのカツ&ウエットタイヤのトラクションで1コーナーですでに大きな差が、、さらに自分はアウトスタートだったのでインコースの右コーナーに先に侵入したカツの巻き上げた石がフロントウインドーを直撃、ガラスが破損、(昨年もガラスが割れたが今年も割れてしまった)
そこで少しひるんだこともあり大きくカツに先行されてしまった。それに今回のカツはジャパン優勝で相当乗れている感じだ、、。

翌日からは実質的なラリーがスタート。もちろん前半で遅れないように1本目から全開でしかける作戦!

あくる日の1本目のコースは昨年使用していないニューコース。道幅が極端に狭い山岳ツイスティーコース7.2km。きついコーナーはサイドターンしても曲がりきれないようなところもある。『ありえない?こんなとこSSで使うの?』、スタートすると我々前半ゼッケンはジャリが多くグリップ無し。結構嫌な感じ、、。超ツイスティーと砂利掻き役に苦戦しながらなんとか無事ゴール。APRCレジスタートップのコディー、カツの2.5秒遅れでまずまずのペースだ。続くは勝負どころのSS3、24km。ここでなんとか取り返したいと思い(みんな同じ考え?)とにかく集中しスタート。低中速主体の比較的良好ダートを良い感じで走行。途中の180km/h越えの高速舗装区間を越え今度は狭い山岳路へ。そして後半の高速ダートへ。本当に変化に富んだコースである意味面白いコース。しかし途中の部落を通る区間で住民の方がご丁寧にほこりが立たないよう水をまいてくれていた。そのありがたい行為にまんまとはまり、滑ってか軽いコースアウト、バックギヤーを使うはめに。ここまで変化に富んでなくてもよいのに、、。タイムはAPRC勢トップのコディーに9.5秒落ち。あそこでバックしてなかったら、、。タラレバだが悔しい!
続くSS4の10.92kmをトップのカツに2秒落ちのタイムで上がりSEC1終了。
車の方は特に大きなトラブルもなくルーティンのサービスを行いSEC2へ。
まずはSS2の超ツイスティーコース。スタートするとジャリが履けたおかげで明らかにグリップが上がっており、さっきよりちょっとだけ楽しく?というか普通に走れる。ところがなんだか上りで車が前に出ない気がする。パワーがなくなってきた?このSSはAPRCトップコディーに8.9秒も差をつけられてしまった、悔しい。
次の24kmはマキシマムアタックしかない。繋ぎの移動区間では時間が厳しく慌しくタイヤ交換を行いドタバタとSS5をスタート。前半の比較的良好ダートを越える、『やっぱりエンジンの不調だ。何とか保ってくれ』。そして超ハイスピード舗装区間に入る、その直後に急激にパワーダウン、エンジンルームから白煙が、、、、。

そして自分たちは残念だがここでラリー終えることとなった。
これから『絶対追い上げるぞ』と気合を入れ直していただけに悔しい。まあついていない時はこんなものだ、、、。

 車を止めて途方に暮れていると、部落の村長さんだか区長さんだかわからないが、なにやら『残念だったな、お前たち、まあ俺のうちでメシでも食べろ』というような感じ?(もちろん中国語)で声を掛けてきた。さすがに 『ありがとう、でもけっこうです』と答えていたが、あまりにも何回も薦められるので断りきれなくなり、本場物の中国家庭料理をごちそうになる事に、、、村長さんの家族が食べ終わった鍋に具を追加、中の具も??アフリカで経験豊富な中原さんもちょっとビビリながら食べたが意外と美味しかった、自分たちが食べていると、こんどは別のリタイヤしたクルーが入ってきて同じ鍋をリタイヤした2クルーで食べる、なんだか妙な光景だ。

こんな事で悔しい気持ちも一時は和んだが、サービスに戻り他チームのラリー風景を見ていると正直、悔しさがこみ上げる。それにあとから聞いた話では、エンジントラブルの原因は粗悪燃料の可能性が高いとの事、他にもMRFランサー2台もエンジントラブルでリタイヤしたようだ、全くやりきれない。まあ、全車リタイヤでは無いので仕方ないけど。

こんなかたちで終了したAPRC2007でしたが1年間皆さんからの応援ありがとうございました。また今回を含め本当にラリーはいろんな事が起きる。また、いろんなことがあるからラリーは楽しいのだ。自分たちは来シーズンもAPRCシリーズ参戦を予定している。これまでの2年間のシリーズ参戦の経験を生かし3年目となる来シーズンはチーム一丸となり全力チャンピオンを狙って戦います!チームの気持ちはすでに来シーズン!

皆さんも全力で応援宜しくお願いします。

ラリーチャイナ参戦記 柳澤宏至
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