スーパーGTレースレポート
2007.07.28
2007.07.28


●金曜の公開練習からノートラブルで流れを掴む スーパーラップ進出はならなかったが 決勝に向け好感触を掴んだ 7月も下旬となり、各地で梅雨明け宣言が出される中、仙台近郊のスポーツランド菅生では、07年AUTOBACS SUPER GTの第5戦が行われた。全9戦で戦われるシリーズも、これが折返し。しかも昨年、ここ菅生で実戦デビューを果たしたAWD仕様のインプレッサにとっては、デビューからちょうど一周年となる、記念すべき1戦となる。 前回のセパンでは、タフなコンディションの中、AWDにコンバートして以降ベストリザルトとなる5位入賞を果たしただけでなく、レース中のベストラップをもマーク。マシンの熟成が進んできて、シンメトリカルAWDのアドバンテージが活かせるまでに進化したことを証明した。ドライバーもチームスタッフも、高いモチベーションを保ったままサーキット入り。なお、セパン(マレーシア)からの船便を使って、マシンがガレージまで戻ってきたのは7月18日。そこからマシンのリペア&メンテナンスに取り掛かり、通常よりは数段、ハードワークを強いられることになったが、マシンは無事26日に、菅生入りを済ませていた。 今回、マシンには幾つか変更が加えられていたが、大きなものとしてはフロントセクションの冷却系とブレーキ。冷却系ではラジエターを通過した熱気を、これまではノーズ部分の両サイドに排出していたのに対して、ノーズの上面に排出するように変更。さらにその排出口の後方に排出口を拡大して、ターボユニットの周りの熱気も上方に抜くようになった。それに関連して、これまでインプレッサの大きな特徴となっていたボンネット後方にそびえ立っていたエアスクープ(のダミー)を取り去ったこと。これで熱の問題だけでなく、空気の流れが変わったことで、フロントのダウンフォースも増加することになった。またブレーキに関しては、前回のセパンから、後輪用にエンドレス製のブレーキが採用されていたが、今回はフロントに。リヤにはAP製のキャリパーとPFC製ローター組み合わせたユニットを採用。ブレーキングのポテンシャルアップが図られることになった。 ![]() 金曜日の練習走行(公式テスト)から大きなトラブルもなく、クスコDUNLOPスバルインプレッサは順調に周回を重ねていった。ただし、ここ菅生で行われた事前のテスト(GT500のメーカー系チーム主導で行われた、いわゆる“メーカーテスト”)に参加していなかったことで、マシンのセッティングに関して一歩で遅れてしまっていたのも事実。そこで金曜日は、主に山野選手がドライブし、セッティングを進めることに終始。結果的に土曜日の公式予選までにベストセットを見つけることが出来ず、予選では山野選手が15番手となる1分24秒307をマークするに留まり、狙っていたスーパーラップ進出は適わなかった。一方、青木孝行選手は、予選通過基準タイムをクリアーすると同時に、決勝に向けてのセットアップも兼ねて、2回の予選を走行。決勝に向けて、好い手応えを掴むことが出来た。 ●スタッフボイス:荻久保寛テクニカルディレクター 「今回、マシンには幾つか手を加えてきましたが、フロントの冷却系に関しては、クーリングだけでなくダウンフォースでも好結果を得ることが出来ました。ブレーキのフィーリングもまずまずでした。ただ、事前のテストをパスしたことが響いて、予選までにセッティングを煮詰め切れなかったのは、痛かったですね。でも、予選2回目で、まずまずのセットを見つけることが出来、決勝に向けては大きな手応えを掴むことが出来ました。」 ●ドライバーズボイス:山野哲也選手 「金曜日の走り始めから、バランス的に少し問題がありました。でも、金曜の公式練習、土曜の公式予選とセッティングを詰めていった結果、良い方向に向かっています。特に予選2回目には青木選手が頑張って、旋回し易いセットを見つけることが出来、好い流れで決勝に臨むことが出来そうです。マシンを開発していく上で、決勝では完走して、より多くのデータを収集することが、何よりも重要です。ここ菅生では多重クラッシュのようなアクシデントも少なくないので、レース前半は、周囲との間隔を保ちながら様子を見ていき、後半にペースを上げていく作戦になります。ノートラブル&ノーミスで走り切れば、上位入賞が見えてくると思います。」●ドライバーズボイス:青木孝行選手 「今回は、マシンに色々手を加えて来ましたが、セットアップに意外と時間が掛かってしまいました。でも、今日の午後(2回目の予選)ではまずまずのセットが見つけることができました。と言っても、前回のセパンほどには期待できないかもしれません。それでも、タイム的にも大きくアップしそうで、決勝が楽しみになってきました。」
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![]() ![]() オフィシャルが各ピットに出向いて行われる公開車検 ![]() 車検に合格した証に、ステッカーが貼られる ![]() ラジエターを冷やした空気をボンネットから抜くために、これまでアウトレットが設けられていたフェンダー先端部は、がらんどうになった ![]() エンジンルーム内のレイアウトも一部変更された ![]() ボンネットフードは変更された。最大の特徴はインレットダクトの廃止し排出用ルーバーも大きくされた ![]() ルーフのエアダクトは、今回塞がれることになった ![]() 菅生も暑い!シフトレバー脇にはダクト付きのクーリングファンが…
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|Rd.5予選 Round 5 SUPER GT 300KM RACE| |