2008.07.15
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CUSCO RACING WORLD RALLY TEAM: Event Report FIAアジア-パシフィック・ラリー選手権第4戦:「ラリー北海道」 |
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| ヤナギとディーン、CUSCO RACINGが再び2-3フィニッシュ達成! |
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FIAアジア-パシフィック・ラリー選手権(APRC)第4戦「ラリー北海道」は7月11-13日、北海道帯広市周辺で開催された。 今年のラリー北海道は、WRCジャパン戦で使用されていた北愛国のサービスパークを使用することになったが(WRCの本拠地が今年から札幌に移動するため)、 コースそのものは昨年とほぼ同様。速度域は高いが道幅は狭く、そのうえ生い茂る草がコースサイドを覆い隠すため、危険要素が待ち受けるトリッキーなステージは健在だ。しかも天気予報の具合では空模様が怪しく、なにやらドラマを予感させる雰囲気が漂う。 CUSCO RACINGは、前戦ワンガレイ同様、3台をエントリー。柳澤選手は、本選手権はもちろんのこと、このイベントから始まるサブタイトルのアジアカップでの戦いも念頭に置かなくてはならない。前戦で見事、初代パシフィックカップのタイトル獲得を達成したディーン・ヘリッジ選手は、参戦プランを延長して堂々日本に殴り込み。抱えるプレッシャーもなく、とにかく攻めまくる。そして柳澤同様、アジアカップに挑戦する炭山選手も、このイベントから本格的にAPRC修行が始まる。 |
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デイ1は、帯広から100km近くのリエゾンを経て向かう陸別エリアのステージ。オフロードサーキットでのショートステージ以外は、20km超のステージが3本続く、走りがいのある設定だ。しかし、SS2でアクシデントが発生。炭山選手がリアタイヤを木にヒットしたのだ。そのまま残る16kmを走行してステージをフィニッシュしたが、実はサスペンションの根元が切れるという深刻なダメージを負っており、残念ながらここでレグ撤退。マシンを修復して翌日の再スタートを目指すこととなった。 一方、柳澤選手とヘリッジ選手は、それぞれAPRC2位、4位で午前のセクションを終了。北愛国でサービスを受けて、午後のリピート走行に挑む。しかしここで、予想されていた天候の悪化がステージを襲う。SS6スタート時には、競技エリアは豪雨に見舞われ、午前セクションの走行で掘れた轍にはたちまち水があふれるという事態。この道を一番手で走行した選手権リーダーのコディ・クロッカー選手は、30km弱のステージで3分近くをロスするという大波乱となった。走行3番手のヘリッジ選手も1分26秒遅れ、走行5番手の柳澤選手でも1分10秒遅れのタイムと、まともに競技が行える状況ではなく、この日残る2本のステージはキャンセル。終わってみれば、この日首位につけたのは、柳澤選手だった。ヘリッジもこの悪条件の中、キッチリ4位で折り返した。 |
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しかし、初日を首位で終えるということは、リスクを負うことも意味する。翌日のスタート順は前日の順位が基準となるため、グラベルが覆うステージを、柳澤選手は一番手から走行して砂利掃き役にならなくてはならないのだ。そして、APRC優勝圏内にいる、MRFタイヤの田口勝彦選手との差は約21秒。ここから柳澤選手と田口選手の熾烈なバトルが始まった。この日の序盤から全開アタックをかける柳澤選手だが、スリッパリーな砂利に阻まれ思うようにアタックできず、この日2本目ではオーバースピードでラインを外すなど、調子が安定しない。それでも必死に立て直すものの、この日7本目のSSでついに田口選手に首位を譲ってしまう。それでも田口選手にゆとりは与えず、柳澤選手も簡単にはギャップを広げさせない。そして2.3秒差で最終ステージを迎えるが、しかしSS距離はわずか1.2km。秒差のトップ争いは、両者同タイムで順位変わらず、幕切れを迎えた。 柳澤選手にとっては悔しい2位入賞となったが、デイ1、デイ2各日のボーナスポイントを加えて、選手権争いでは4位に浮上。アジアカップでは首位に立った。 一方ヘリッジ選手は、この日、柳澤選手から41秒遅れでスタート。首位浮上も手中圏内ではあったが、それよりも気になるのは、1分7秒後ろに迫るクロッカー選手の存在だった。選手権争いを考えれば、既にスキップイベントを消化しているクロッカー選手に対し、翌インドネシア戦をスキップするCUSCO 勢としては、ここでできるだけポイント差を詰めておきたい。何としてもクロッカー選手の浮上を阻止したいところだ。しかし、コンスタントにミッションを達成するヘリッジ選手の能力は、チーム加入初年で、パシフィックカップ獲得を達成したことで証明済み。かつてはSUBARUオーストラリアのチームメイトでもあった、APRC2連覇中のクロッカー選手の追撃を見事にかわし、APRC3位を死守。第2戦キャンベラに続き、CUSCO RACINGの2-3フィニッシュに貢献した。 そしてデイ2から再スタートを果たした炭山選手は、この日、ヘリッジから0.3秒遅れ程度のタイムで安定した走りを披露。初めてAPRC勢と走りを比較しながら、自分の狙い所を見定めていくという経験を培い、母国ラリーでありながら充実した内容を消化した。デイ1を撤退しているため、総合順位には残らないが、デイ2だけでの成績では、ヘリッジに続くAPRC5位でフィニッシュ。アジアカップではデイ2・3位につけ、ボーナスポイント1を獲得して、イベントを終えた。 |
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柳澤選手 「本当に悔しいですね。でも、デイ1はとても状況を予測できる状態ではなく、マージンの計算も不確定要素。実はあのSS6では、僕自身もパンクをして9kmほどそのまま走行していたくらいなのですが、蓋を開けてみればデイ1首位で、翌日は一番手から走行して砂利を掃かなくてはなりませんでした。自分としてはデイ1エリアのステージの方が得意だったのですが半分近くがキャンセルになってしまい、デイ2での争いがメインになってしまったのはアンラッキーでしたね。でも、カツという強豪と最後まで秒差のトップ争いを展開する状況の中で、どのように走らせていくかを経験できたことは、とてもいい勉強になりました。これだけせめぎ合っていれば、結局は攻めて行かなくてはタイムが出ないことは明らか。次に参戦するマレーシアでも、攻めていくだけです」 |
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ディーン・ヘリッジ選手 「結果にはかなりハッピーだよ。デイ1は、信じられないような天気で、本当に難しかった。デイ2もできれば勝利を目指したかったので午前中は少しプッシュしたけれど、後半はコディを抑えることに専念した。結果、2-3フィニッシュを獲得できたのでうれしいし、チームにも喜んでもらえたと思っているよ」 |
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炭山選手 「今回は、APRC勢との比較をしていきたかったので、デイ1をほとんど走ることができなかったのは残念。でも、デイ2は、ディーンとも0.3秒差くらいのタイムで走ることができたので、コンスタントにこの辺りの位置で走れたことは及第点かな、というところです。マレーシアはとても暑いと聞いているので、暑さ対策を考えるというのは海外選手権ならではの課題ですが、抑える所と攻めるところ、メリハリをつけて挑んでいこうと思っています」 |
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