モータースポーツ情報

スーパーGTレースレポート

 

2008スーパーGT 第8戦
SUPER GT IN KYUSHU 300km RACE
(オートポリス 4.674km)

10月19日 決勝

天候=晴れ時々曇り/ドライ
気温=19℃~24℃ 路面温度=23℃~36℃
観衆=2万8800人(主催者発表)

   -ニュース-

●ノーミス、ノートラブル。予想通りの展開、期待以上の好結果。
 パーフェクトな闘いの末に、6位チェッカー。

週末を通じて好天が続いた大分県はオートポリス。この秋晴れの空と同様、クスコレーシングのスタッフは、晴れ晴れとした気分でレースを終えることになった。セパンで優勝して以来となる6位入賞。鈴鹿1000kmでポールポジションを奪って3ポイントを獲得していたものの、決勝ではリタイア、完走しても“着外”に終わり、なかなか獲得できなかったドライバーズポイントをゲットした。

お昼休みもロガーデータを分析中のカルロ選手。
研究熱心!というのがスタッフ全員の、一致した印象だ。
朝一番で行われたフリー走行では17番手に留まった。トップとのタイム差も、約3秒と予選に比べて拡がった感もあったがチームは、自らが決めた通りに、着々とメニューを消化していった。今回が、インプレッサ(AWD)での初レースとなるカルロ・ヴァン・ダム選手が順調にマシン習熟を進め、このセッションでは山野選手とコンマ4秒差にまで追い付いてきたのも、大きな収穫となった。

今回は、スタートと前半のスティントをカルロ選手が担当し、山野選手は後半スティントを受け持つ作戦だ。ここ数年はフォーミュラレース専門となっているカルロ選手だが、4輪にステップアップする前はレーシングカートで活躍したキャリアを持っており、実はローリングスタートは手慣れたもの。「ヨーロッパチャンピオンともなると、もう身に染み込んでいるんでしょうね」とは松田久マネージングディレクターの分析だが、カルロ選手は見事なスタートダッシュを飾ることになった。1周のローリングラップを終えてホームストレートに帰ってくると、絶妙なタイミングでフルスロットル。1コーナーまでに何台か抜き去ると、なんと10位にまでポジションアップしてオープニングラップを終えることになった。
九州のファンも撮影には熱心だ。 「クスコ・レーシングデ~ス。ヨロシク」とステッカーを配るカルロ選手。 ファンサービスにも熱心に応える。
決勝スタートに備え、コクピットで最終チェック。 F3ではトムスでチームメイトの国本選手とグリッドで談笑するカルロ選手。 「じゃあ頑張って!」とコクピットのカルロ選手にエールを送る山野選手。
2周目以降もカルロ選手は渾身のドライブを続けた。序盤に、この日のベストラップとなる1分54秒861をマーク、これは朝のフリー走行よりも1秒半も速い好タイムだった。ただし、この序盤にプッシュしたことでスティントの終盤には苦しい走行を強いられることになる。タイヤマネージメント。これは(タイヤの)性能をフルに使い切って、予定された周回数を走り切るために必要なテクニックだが、これが初レースとなるカルロ選手に、それを要求するのは酷かもしれない。だが、スティントの途中でそれに気づいたカルロ選手は、以後はタイヤを労りながら周回を重ねていった。そしてほぼポジションをキープしたまま、予定通りに30周を走り切り、9番手で自身のスティントを終えることになる。

ステアリングを引き継いだ山野選手は、カルロ選手がタイヤマネージメントで苦労していたことから「これは前半は守りの走行。タイヤを労って後半勝負に」と判断。13番手でレースに復帰すると、まずはポジションキープのまま周回を重ねていった。後方からは52号車のISや95号車のMR-Sが迫ってきたこともあったが、タイヤに優しい走りでポジションキープするのは、山野選手の真骨頂。結局、一度もポジションを譲ることなくスティント後半に突入することになる。残り16ラップ。クラス上位を争っていた62号車のヴィーマックが、GT500のマシンに押し出されて後退していくのを切っ掛けに、山野選手の猛チャージが始まった。49周目に31号車のMR-Sをパスすると、58周目には4号車のヴィーマックをも攻略してみせた。

頑張る山野選手に、そしてクスコレーシングに、勝負の女神もご褒美を用意してくれた。45周目には7号車のRX-7が、58周目には26号車のポルシェが、それぞれトラブルから後退。さらには7位でチェッカーを受けることになったが、30秒加算のペナルティが課されたマシンがいたため、結果6位。予想通りのレースを展開したチームは、まさに期待以上の結果を得ることになった。


●スタッフボイス:大溝敏夫監督

「本当に良かった。頑張った甲斐がありましたね。エンジニアやメカニック、スタッフ全員が、一人一人頑張った結果です。カルロ選手をお借りしたトムスさんにも感謝してます。レースを振り返って分析するなら、まずはカルロ選手が、スタート直後の混乱を巧く潜り抜けて10位にまでポジションアップできたのが大きかった。スティント後半にはタイヤが厳しくなったようだけど、それを見ていた山野選手が、前半はタイヤを労って後半勝負、と判断。それをきっちり守って最後まで充分なパフォーマンスを発揮できた。セパン以来久々に、完璧なレースができました。トンネルが長かったけど、何とか先が見えてきたと言うか、少しだけ高い山を越えて、少しだけ高い丘に登った、という感じですかね。最終戦では、もう少し高いところに上りたいですね」


●スタッフボイス:松田久マネージングディレクター

「今日は作戦通り、というか(結果的には)それ以上でした。周り(のマシン)がいなくなったことにも助けられましたが、上出来です。カルロが好スタートを切ってくれたことと、山野さんが見事なタイヤマネージメントでまとめてくれました。マシンもノートラブルで、ホント、最高です」
●ドライバーボイス:山野哲也選手

「会心のレースだったね。カルロが走っていた時から、今日は(どのメーカーのタイヤも)タレる傾向にあることが分かっていたので、ピットアウトしてしばらくは“守り”の走りをしようと思ってました。後方から迫ってくるマシンもありましたが、抜かれることはないようにしながら、ともかくタイヤを労っていこう、と。で残り16ラップだったかな、そこからプッシュ。2台を抜くことが出来て、あと4~5周あったら、もう1台パスできたかな。ともかく、最高のレースだった。今回、初めてコンビを組んだカルロは、チームメイトとして安心できる(=任せられる)タイプのドライバー。絶対に無理はしてなかったからね。性格も真面目だし、自分の得意不得意、できることとできないことを理解している感じでしたね。あとは、ハコでのタイヤマネージメント、かな。でも次回はもっと速くなってると思う。そんな相棒だったよ」
●ドライバーボイス:カルロ・ヴァン・ダム選手

「チームの一員として好い経験をさせてもらいました。新しいマシンに新しいタイヤで、勉強になるとともに、充分楽しませてもらいました。速いマシンに追い越されるのは、これまでになかった経験ですが、次第になれていきました。結果的にベストタイムをマークすることが出来、自分自身、このカテゴリーで充分なパフォーマンスを発揮できると、自信にもなりました。好い結果で、次回の富士に向けて、モチベーションを高める結果となって、本当に良かったです」



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