モータースポーツ情報

スーパーGTレースレポート

2008スーパーGT 第3戦
GT FUJI 500km RACE (富士スピードウェイ/4.563km)
●決勝

5月4日 決勝
13:59~17:01
天候=曇り時々晴れ/ドライ 
気温=22→22→20℃ 路面温度=32→36→29℃


●2ピット作戦が的中しトップを快走
 思わぬペナルティに足をすくわれてしまう

マシンの横でスタート直前まで作戦会議中の佐々木選手。

グリッド上でマシンにエアダクトを取り付けるメカニック。

室内にもホースが取り付けられた。
ゴールデンウィークも真っ只中となった5月4日(日曜日)、この時期の富士では、もはや風物詩となったスーパーGT。コアなファンだけでなく、家族連れも含めて多数詰めかけ、土日を合わせて9万人近くの観客動員を数えるまでになった。

前日の予選はコンディションが目まぐるしく変化する中、ウェットコンディションとなった午前中の1回目でトップタイムをマーク。AWDという基本パッケージングのアドバンテージを改めて証明した。ハード目のスリックタイヤをチョイスしたスーパーラップでは、タイヤを温めきれずに4番手、と一歩後退したものの、路面温度が上昇した決勝では、それも優位に働く。チームは真剣に優勝を狙っていた。

不順だった金曜土曜の分まで青空が一気に晴れ上がる好天に恵まれた日曜日。朝一番に行われたフリー走行でインプレッサはクラストップタイムをマーク。ドライコンディションでも速さを確認出来た。何よりも金曜日の練習走行から大きなトラブルなく走行を続けてきており、良い流れを決勝に繋げたいところ。前回の岡山に続いて今回も、佐々木選手がスタートを担当。持ち前の速さを最大限に生かして猛チャージする作戦だ。

4番手グリッドからスタートした佐々木選手は、ポジションキープで序盤戦を終え、スタートの混乱が落ち着く頃になると、いよいよペースを上げて猛チャージを開始した。先ずは6周目のストレートでスリップストリームを使って1台をパス。続いて7周目にも1コーナーで1台をパスして2位に進出する。その後数周に渡って、トップを逃げるポルシェと接近戦を繰り広げた後、12周目のダンロップコーナーでこれをパス。トップでストレートに戻ってきた。トップに立った佐々木選手は、なおもペースを緩めることなく先を急いだ。2位以下のマシンが1分47秒台で続くが、13周目、14周目と1分45秒5を連発してアドバンテージを5秒にまで拡げると、その後も46秒台前半で周回。2位以下との差は着実に拡がっていく。16周目に10秒、24周目には20秒。そして25秒近くまでアドバンテージを拡げた佐々木選手は、38周を終えたところでルーティンのピットイン。2ピット作戦ながら、このペースなら表彰台は確実で、優勝さえも射程内にあった。
47秒足らずのピットストップの後、佐々木選手から代わった山野選手は11番手でレースに復帰した。46秒台中盤から前半、そして時には45秒台で追い上げた山野選手は、着実にポジションをアップ。ロングスティントで引っ張っていたマシンがルーティンのピットに入った57周目には作戦通り、トップに返り咲くことになった。この時点で2位との差は約41秒あったが、もう1回のルーティンピットを予定していたこともあって、さらに後続を引き離すべくペースアップ。59周目には1分45秒278をマークしてベストラップを更新した。

しかし、好事魔多し。スリップストリームを利用してストレートエンドで前を行くマシンをパスする際に、1コーナーの黄旗に気づかずバックマーカーを抜いてしまい、ペナルティを課せられてしまったのだ。そのため、ピットストップ10秒…ピットロードの出口近くにあるペナルティエリアで10秒停止するペナルティは大きく、これで貯金を使い果たした。

予選の好結果にファンも殺到。
 

本コース上で行われたキャンギャルウォークも、相変わらずの大人気。

ピットウォークは年齢を問わずいつものように大盛況。

グリッド上でTVの取材を受ける2人。
さらに山野選手によるペナルティが続く。GT500のマシンに周回遅れにされるタイミングで(GT300クラスの)先行車を抜こうとして接触、ドライビングスルー・ペナルティを課せられてしまったのだ。さらに、接触の影響でラジエター、エキゾースト出口にダメージを負い、こちらの修理にも予定していなかったピット作業が加わることになった。修復成ったマシンは、佐々木選手のドライブでピットアウト。まるで何もなかったような快調なペースで周回し、そしてチェッカー。一連のペナルティと余分なピットでの修理で失ったタイムロスは大きく、クラストップから8周遅れの18位完走。それでも、トランスアクスル付きのシンメトリカルAWDが、ウェット路面だけでなくドライコンディションでも充分な速さを持っていることは証明出来た。それも、ストレートの長い富士スピードウェイで。これは大きな収穫。心機一転して流れを取り戻し、セパンでは再度表彰台を狙いたい。
●スタッフボイス:大溝敏夫監督
「結果的には思わぬ展開になりましたが、金曜日から雨の中で速さを確認出来たし、クルマとしての進化を確認できました。決勝は、まずまず充分なポジションからスタート出来ましたが、途中から勝つことを自分たちの手で放棄してしまった・・という感じで、考えていた位置でチェッカーを受けることはできませんでした。ほぼ500km近い距離を走ることが出来たので、クルマの信頼性という部分では格段に向上していますね。あとは、今の悪い部分を反省材料にして、確実に、クルマを速くしていきたいですね。次のセパンは昨年、決勝レース中にベストラップを出したゲンのいいサーキット。コンディション的には非常に暑くて特殊なサーキットですが、確実に、6位以内を狙っていきたいと思います」
●スタッフボイス:松田久松田久マネージングディレクター
「決勝の前半は作戦通りの展開でした。これまでの結果が結果だけに、大きな声では言えませんが、もちろんいつも優勝を目指していて、今回は期待もしたのですが、予想もしなかった展開になってしまいました。(予定外だった)ピット作業はラジエター周りの修理。接触の影響でダメージがあり、オーバーヒートを引き起こしてしまいました。でも、結果的にはともかく、クルマの速さも信頼性も、充分確認出来たことが、今回の収穫です」
●ドライバーズボイス:山野哲也選手
「今日の決勝は、悪いクジを全部自分で拾い集めてきた、って感じでしたね。黄旗追越も、全く意識していなかった。富士の1コーナーって、スリップ使っているときは(コースポストが)見え難いから、それで見落としたんだと思う。でもそれは、100%僕の責任です。接触は、13コーナーのところで(GT500クラスの)GT-Rがイン側から抜いていくときに、僕も後ろに付いて抜いて行った。その方が一気に抜けるから。でも。結果的には申し訳なかったです。クルマは、今回のレースの中では全体的に見て速かった。セクションごとに見ても目立って遅い部分はなかったし、ストレートにしてもコーナーにしても良かった。そういう意味でも、黄旗と接触・・・が。もうホントに、こんなに大きなチャンスを逃したことはないかな」
●ドライバーズボイス:佐々木孝太選手
「結果は残念だったけど、自分の仕事はほぼ完璧にこなせたと思います。すごく遅いマシンに邪魔され時に、何度かタイムが大きく落ち込んでしまいましたが、それ以外は速いペースで安定して走れました。自分でもできるだけプッシュしたし、タイヤももたせることができたし、自分の与えられたことはちゃんとできたかな、と。雨上がりの翌日って大体暑くなるのは想像できていたので、決勝を見越してハード目のタイヤを選んだんですが、それが的中しましたね。予選は厳しい結果になってしまったけど、決勝はその分のマージンはとれてたのかなと思いました。“たら”話しても仕方ないけど、1位か2位にはなれてたんじゃないかな。でも今は気持ちを切り替えて、次回のセパンで頑張ります」



↑PAGE TOP