クスコ・ワールドラリーレースレポート
2009.11.18
2009.11.18
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| APRC王者をも脅かす速さを発揮、炭山は初ポディウム達成! |
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2009年FIAアジア-パシフィック・ラリー選手権(APRC)最終戦となる第7戦及びアジア・カップ最終戦となる第4戦「チャイナ・ラリー龍遊」は11月13-15日、上海から400kmほどに位置する 浙江省衢州市龍遊周辺で開催された。 APRCの中国戦が龍遊で開催されるのは、今年で4回目。APRCのシリーズ争いは、既に前戦インドネシアでコディ・クロッカーがタイトルを確定させている。しかし、アジア・カップの方は、クロッカー選手が三菱の田口勝彦選手との最終決戦。さらに併催の中国選手権争いでは、英国やフィンランド、オーストラリアなど海外の強豪ドライバーが大挙して招聘されているため、イベント自体のバトルはヒートアップ必至だ。このような厳しい戦況の中、CUSCO RACINGは今季からスイッチした三菱ランサーエボリューションXでの3戦目を迎える。エースドライバーの柳澤宏至選手はアジア・カップ4位からのポジションアップ、炭山裕矢選手は今季初ポイント獲得を目指してスタートに臨んだ。 |
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ラリーは13日金曜日にオープニングセレモニーに続いてスーパーSS・1本を走行。翌14日には、7km、24km、8kmと3ステージのループを3回走行する。デイ2は20km、13kmの2ステージを同じく3回ループ。ナロー&ツイスティの上にラフというステージを各3回使用するため、路面の荒れは必至。速さもさることながら、アクシデントをいかに避けるかが運命の鍵を握ることになると予想された。 今季はフルシーズンの半分相当となるアジア・カップに絞って参戦している柳澤選手だが、APRCでの存在感は周知の通り。今回もエントリーリストでは、クロッカー選手、田口選手に続くカーNo.3が与えられた。一方の炭山選手はカーNo.8。中国では末広がりで福がつくと喜ばれるラッキーナンバーだ。 開幕のスーパーSS、柳澤選手はクロッカー選手に続く2番手タイムと好発進。炭山選手も8番手と海外競合勢に食い込む上々の走りを見せた。翌日からの本格的な競技ステージ、天候は曇りだが、山岳エリアにコースが設定されているため前日まで続いた数日間の雨が路面にも残る難しいコンディションだ。この日の肝となるのは、24kmのロングステージ。この1回目の走行となるSS3で柳澤選手が憂き目に遭った。ラフな路面の衝撃の連続でオイルクーラーが破損、これがタイヤに干渉してダメージが広がった。この不調に気づいたのはスタートから2kmほどの地点というが「あまりに道が荒れていて、どの衝撃が原因なのか特定できない」ほどの荒れ模様。このSSと続く8kmSSは走り切り、何とかサービスへの帰還は果たしたものの、既にオイルなしでの走行が続いていたためエンジンへのダメージは深刻。SS2ではセカンドベストタイムも出し、首位クロッカー選手をも脅かすポジションにつけていただけに悔やまれるが、ここでのリタイアを決めた。 この24kmSSは、この日3回の走行で20台近くがリタイアと、まさに鬼門のステージとなった。炭山選手さえもトラブルを避け切れたわけではなく、2回目の走行となるSS6でブレーキホースが断裂、残り20数kmをサイドブレーキのみでの走行となった。3回目の走行でもバーストに見舞われたが、それでもこの日の9本を走り切り、この日を総合12位、アジア・カップ4位で終えた。しかし波乱続きのこのラリー、最終的にどこまで順位が変動するかは誰にも予想がつかない。 明けてデイ2、炭山選手はコンスタントに海外競合勢に割り込む速さを見せた。SS15ではコンクリートウォールにヒットしてタイロッドを曲げるアクシデントもあったが、アジア・カップを争う選手にもトラブル続出。このラフなラリーを堂々走り切り、この日の順位だけでは、アジア・カップ2位につける大活躍を見せた。最終リザルトでも、総合5位、アジア・カップでは3位と初ポディウムを獲得し、三菱車での参戦初年の締めくくりに華を添えた。 |
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長瀬努監督 「成績を数値で見れば満足の行かない結果ですが、新しいマシンに関しての情報や理解が得られたので、来季につながる有意義なシーズンだったと思います。ドライバーたちは消化不良だと思いますが、今回、柳澤選手が見せた速さは、チャンピオンにも迫る賞賛できる内容。マシンの方も、手直しを加えれば安定感が増すと思いますので、シーズン初めを手探りで迎えた割には上々だったと思います。久しぶりに三菱車でラリーに挑んだシーズンで0からのスタートでしたが、半年でよくここまで煮詰めることができたと思います。来季の活躍を、ぜひ期待してください」 柳澤宏至選手 「トラブルが発生したSSは石がたくさん転がっていたのですが、大きめの石にひっかけてオイルクーラーが押され、それがタイヤでこすれていく内にダメージが広がったようです。マシン自体は、前回からエンジンがよくなり、デフにも手を入れて速さが増してきたし、ドライバー側も扱いに慣れてきていました。ここのコースはナローでツイスティなので、大柄のマシンになった今年は今まで通りには行かないと覚悟していたのですが、その割にはタイムが出ましたね。この調子で他とのタイム比較をしたかったし、デフなどでも色々試したいことがあったので、そういう意味では不完全燃焼のイベントでした。今年は、エボXの熟成を目標に置いていたので、前半はバタバタでしたが、それでも緒戦の北海道では3位につけられたし、後半には上位争いに食い込めるタイムまでに押し上げることができたので、まずまずでした。今回は完走を逃しましたが、実戦でないと出てこないトラブルもあるので、これも経験です。できる状況の中で全力を尽くしてきたので、後は細かいところを詰めて、来季に備えたいと思います」 |
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炭山裕矢選手 「龍遊は昨年も参戦しているので、自分が経験しているという意味では数少ないコース。ナローであることも理解していたので、今年の他のイベントよりは心の準備ができていました。インドネシア終了後にある程度マシンの理解や慣れが得られたので、コ・ドラと相談して今回は間違いなく完走して、できればポディウム、を目標にしていました。とても道が荒れて、リピート走行ではかなり石も出ていたので、自分自身にもアクシデントはたくさん起こりましたが、それぞれを対処して何とか走り切れたことは、運もよかったと思います。デイ2は、デイポイントも狙っていたので、最後のSSまで抑え過ぎずに自分のペースを維持できたことはよかった。自分に課題を与えていたので、久しぶりにいい緊張を感じました。今回もいい経験ができたので、来季に向けていい肥やしになりました」 |
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China Rally Longyou Final Classification |
| PA1. | CODY CROCKER/コディ・クロッカー | Subaru Impreza STI | 3:40:47.6 |
| 2. | DEAN HERRIDGE/ディーン・ヘリッジ | Subaru Impreza STI | +4:32.8 |
| 3. | JARI KETOMAA/ヤリ・ケトマー | Subaru Impreza STI | +6:56.6 |
| A 4. | RIFAT SUNGKAR/ライファット・サンガー | Mitsubishi Lancer Evo9 | +13:55.7 |
| A 5. | YUYA SUMIYAMA/炭山裕矢 | Mitsubishi Lancer EvoX | +17:17.9 |
| PA6. | EMMA GILMOUR/エマ・ギルモア | Subaru Impreza STI | +17:58.0 |
| 7. | XU JUN/徐俊 | Mitsubishi Lancer Evo9 | +21:46.3 |
| 8. | HAN HAN/韓寒 | Subaru Impreza STI | +23:11.3 |
| *PA=APRC registered A=Asia Cup registered |
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