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クスコ・ワールドラリーレースレポート_2008

スコールに翻弄された大波乱の展開、ヤナギが2位フィニッシュ獲得!
FIAアジア-パシフィック・ラリー選手権(APRC)第6戦「マレーシア・ラリー」は10月11-12日、マレーシア南部、シンガポールの国境に近いジョホールバル周辺で開催された。

いくぶん暑さも和らぐ夕暮れ、セレモニアルスタートが行われた。
ラリー北海道後に開催された第5戦のインドネシアをスキップしたCUSCO RACING勢(APRCは、全7戦中6戦をノミネートするため1戦をスキップする)、第6戦のラインナップは、APRC本シリーズとアジアカップを狙う柳澤宏至選手と、APRC初参戦初年でアジアカップに挑戦する炭山裕矢選手の2台。マレーシア初参戦の炭山選手は、早めに現地入りして酷暑高湿度という厳しい気候に体を慣らす。
一方の柳澤選手はこれが3回目のマレーシア参戦。昨年はSS1でリタイアするという悔しい結果に終わっているため、雪辱をはらしつつアジアカップでの争いも睨んでいく。本シリーズでは、タイトル争いがコディ・クロッカーと田口勝彦の二人にほぼ絞られたが、最終戦チャイナでもポイントが獲得できるクロッカーに対し、田口は今回がノミネート最終戦。両者のせめぎ合いが、ラリー全体の展開にも影響する可能性も大きく、目が離せないという戦況だ。

暑さの疲れを癒す間もなくエンジニアと打ち合わせ。シェイクダウンとはいえまさに息をつくヒマもない。

マレーシア初参戦の裕矢も自分なりのアプローチを模索、競技スタートに備える。
マレーシアのステージといえば、ヤシのプランテーションの中を疾走するスムースグラベル。極めてスリッパリーである他、コンクリートの壁など危険要素も多く潜む難コースだ。路面を覆う砂利はほとんどないため、走行順で砂利掃きの不利を負うことがないことから、先頭出走が圧倒的に有利となる。

最初のSSを手堅くクリア。初参戦のラリーでリズムをつかむ裕矢。
 

SS5から降り始めた雨でSS7はフルウェットに。ヤナギもジャンピングスポットで思うように攻めにくい。

SS5でヒットしダメージを負った裕矢。サービス後も走行を続けたが、この直後でストップ、リタイアとなった。

ボディへの歪みが激しいとパーツをキッチリ装着することもできない。短い時間で渾身のリペアに挑むメカニックは頼もしい限りだ。

今回、柳澤選手はゼッケン4、炭山選手には9が与えられ、炭山選手のすぐ後ろは、スポットでクロッカーのチームメイトとして参戦の新井敏弘が続く。ラリーは、デイ1が、サービスを挟んで4本のステージを2本ずつ走行、このセクションをリピートする計8SSの設定。デイ2は、日中サービスを挟んで3本のステージを2回走行する計6SS、ラリー合計で14SS・総ステージ走行距離226.74kmという構成だ。

ラリースタートから約20kmのヤナギ。スタート時はフルドライで、日差しがまぶしいほどだ。
 


このラリーで一番コンディションが悪かったSS3。しかしデイ1でドライコンディションだったのは、この後1本までだった。


一層雨が強くなってきたSS6。前SSでマシンダメージを負った裕矢は、マシンをいたわりながら満身創痍での走行。
 

デイ2最初のSS。空は見違えるように晴れ渡ったが、路面は前日の雨でまだ湿っている難しいコンディションだ。
 

SS12を走行するヤナギ。マレーシアのステージは、オイルヤシのプランテーションを縫うように走る。
 

厳しい暑さの上に前後のタイム差が開いた戦況でモチベーションを維持するのも難しい中、安定した走りをキープするヤナギ。

ラリーは、10日金曜日夜にセレモニアルスタートが行われた後、11日朝からデイ1の競技がスタートした。最初からプッシュの指示を得た柳澤選手だが、昨年SS1でクラッシュアウトの経験からやや慎重にアプローチした結果、約29kmのSSで35秒と大きく差をつけられてしまう。一方、今季はニュージーランド、北海道とリタイアが続いている炭山選手は、絶対完走が目標。さらにAPRC屈指の難ラリーであるマレーシアということもあり、1回目のループは同じく慎重に攻める。しかし、今回のラリーでの本当の敵は、暑さでもスリッパリーな路面でもなかった。

現地時間14時に始まったSS5の序盤から突然の豪雨。熱帯雨林気候のスコールは、まさに「バケツをひっくり返したような」雨で、視界確保もままならない。このSSをドライのまま走り切ることが出来たのは、先頭のクロッカー、田口の2台のみ。4番手走行の柳澤選手でさえ、ステージ終盤には雨につかまりタイムロスを喫する。そして炭山選手も、視界が悪い中でコンクリートの壁にヒットしてしまい、リアサスとボティにダメージを負う。このスコールの後、路面はそれまでの完全ドライから、いきなり完全フルウェットとなった。この雨に多くのドライバーが犠牲になり、タイトル争いの筆頭・田口や新井など、マレーシアでの経験が豊富なドライバーでさえ、デイ1で姿を消すこととなった。

そして気づけばデイ1終了時点で柳澤選手が総合2位。しかも首位とは2分、3位とは4分以上も差がついており、勝負の展開はほぼここで決まった状態となった。一方、SS5でマシンダメージを負った炭山選手は、SS6を走り切りその後のサービスイン。ここでメンテナンスを受けるが、ダメージがひどく修復し切れないままサービスアウトとなり、SS7でストップ、デイ1撤退を決めた。初参戦ラリーでの経験を積むためデイ2での再スタートを目指したが、なんと天候悪化のためリカバリー車がステージに入ることができない上に、リタイア車が多すぎて手が回らないという。スーパーラリーで再出走するためには、規定上スタートの6時間前までにパルクフェルメにマシンを入れなくてはならないが、デイ2の午前中までマシンの回収が行えないという現状から、残念ながらデイ1でリタイアとなった。

デイ2を2位からスタートした柳澤選手は、アジアカップでの争いも睨み、次戦チャイナまでマシンコンディションを維持してこの最終戦でフルアタックをかけるためにも、この日はリスクを負わずにポジションキープに徹する英断を完遂した。そして、北海道に続く2位フィニッシュ。田口のリタイアにより、総合優勝のコディ・クロッカーが、APRC3連覇を確定させた。またアジアカップでは柳澤選手がクロッカーに1ポイント先行を許したが、次のチャイナではチャンプ・クロッカーに駆け引きなしのガチンコ対決を挑むこととなる。

SS11。ドライでも滑りやすい路面がセミウェットになり、これ以上ないくらいスリッパリーに。

我慢の走りを耐え抜き意義の高い2位を獲得。次戦はアジアカップを目指してのガチンコ対決だ!

フィニッシュで大勢のスペクテイターに迎えられるヤナギ。酷暑のマレーシアを走り切った。

柳澤宏至
「今回は、デイ1で勝負がほとんど決まってしまいました。雨でのタイムロスもあったとは思いますが、こればかりは仕方がない。デイ2は優勝を狙うにはリスクが高すぎたため、次戦でプッシュできるように今回はポジションキープに徹しました。次につなげることができたので、結果オーライだったと思います。シリーズを戦っていくには、こういうガマンも時には必要ですね。でも、これでチャイナは心おきなく最初から限界まで攻めることができます。アジアカップを巡っての勝負は分かりやすくなりました。勝った方がチャンピオン、ただそれだけなので、思い切り全開で攻めていきます。」

炭山裕矢
「テスト、レッキを終えた時点で、とても滑るしコンクリートバリアなどのトラップも多く、話には聞いていましたが本当に難しいラリーだと思いました。初参戦のラリーなので、1回目のループは慎重に、2回目からペースアップと考えていましたが、1回目からリズムはつかめていましたし、無理もしていなかった。SS5のヒットは、インをついた時にコンクリートのブロックか何かに引っかけたのだと思います。あまりに日本のラリーとは違う内容なので、色々な国で様々なステージに挑んでいかなくてはならないという大きな要素が加わる海外シリーズの難しさを、改めて痛感しました。次のチャイナも初参戦。どのように攻めていくか、これからじっくり考えます」
APRC第6戦マレーシアラリーレポート
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