スーパーGTレースレポート

●タフなレースを着実に走り切り5位入賞 スタッフ一丸、紙一重で乗り切った 決勝日の6月24日は、早朝こそ厚い雲が空を覆っていたが、走行セッションが近づくにつれ晴れ間が拡がっていった。ただし、時折小雨がぱらつくなど、不安定なところもあり、ドライバーやチームスタッフは、少しばかり頭を悩ますことになった。それでも、午前11時、フリー走行が行われる頃には完全な青空が拡がり、気温も上昇してくる。 そんな状況で行われたフリー走行で、クスコDUNLOPスバルインプレッサは、快調に周回を重ねた。先ずは山野選手でピットアウトしていき、数周後にピットイン。ドライバー交替からガソリン補給、タイヤ交換を終え、青木選手がピットアウトしていく。今回は、レーシングマシンに混じって大型バスがコースを回る“サーキットサファリ”が実施されることから、セッションは15分間延長され、計45分間行われた。このセッションでのベストタイムは2分07秒321で、前日の予選タイムをも上回る好タイムで2番手につけることになった。トップはさらに1秒速かったが、どうやらこちらは2ピット作戦、とも見られ、通常の1ピット作戦で臨むクスコレーシングの、決勝でのジャンプアップが、にわかに現実味を帯びてくることになる。ただし、燃料系のパーコレーション(ベパーロック)が気になるところで、このウォームアップから、ピットインの度にボンネットを開け、消火器(の消化ガスで冷却)をかけて燃料系をクールダウンさせるシミュレーションが繰り返されていた。 ![]() セパンサーキットでも大盛況となったピットウォークを終えると、いよいよ決勝レースとなる。スタートは山野選手。直前の気温は35℃、路面温度は50℃を超え、まさに灼熱のセパンならではのレースとなる。いよいよスタート、11番手からポジションキープでオープニングラップを無事終了。2周目以降になるとこの暑さの影響か、スピンやトラブルで後退するマシンが相次いだ。そんなタフなレースとなったが、山野選手は冷静に、着実な走行を続け、ひとつ、またひとつとポジションを上げていく。そして4周目には8番手まで進出し。以後も、そのポジションをキープしながら周回を重ねていった。着実な走りからは全くのトラブルフリーに見えたクスコDUNLOPスバルインプレッサだったが、実は燃料系に時折、パーコレーションの症状が見え隠れしていた。それでも山野選手は、何もなかったように着実な走行を続けた。一度だけ、症状が酷くなってポジションを2つほど落としたものの、再び9番手まで帰り咲き、予定通り25周を終えたところでルーティンのピットイン。青木選手に交替し、燃料補給とタイヤ交換を行った。 そして替わった青木選手がピットアウトしていくのだが、レース前に心配されていた…パーコレーションによってエンジンが再スタートしない状況は避けられた。エンジン回転が吹き上がるのに、若干のタイムラグはあったものの、エンジンは掛かり、最小限のタイムロスのみで、青木選手はピットアウトしていった。 その後も、パーコレーションによってエンジンが時折愚図る兆候を見せたものの、青木選手も安定したペースで周回を重ねていったように見えたが、実は、アグレッシブに攻めのドライビング繰り広げていた。。それはGT300クラスのベストラップをマークしていることからも明らだ。レース終盤には、気温/路面温度ともに緩やかに下降していたが、タイヤかすが散らばり、またスピンしたマシンが砂利をばらまくなど、コースコンディションは、相当酷くなっていた。さらに、スピンするマシンは何台もあった。それを1台、また1台と上手くすり抜けながら青木選手はポジションアップ。46周目には5番手まで進出する。そして最後の最後、ファイナルラップまで安定したペースで走り切った。 ![]() 今シーズンはここまで、完走周回数を消化しながらもチェッカーが受けられなかったり、反対にチェッカーは受けたものの、完走周回数に足りなかったり、と消化不良なレースが続いてきたが、今回は見事完走、しかも堂々の5位入賞だ。ピットロードのプラットフォームで、山野選手やチームスタッフ全員が出迎える中、青木選手は感動のチェッカーを受けた。プラットフォームで握手し合うスタッフの目は、心なしか潤んでいたようだった。 ![]() ●スタッフボイス:大溝敏夫監督 「今回の5位入賞という成績は、まさに“紙一重”を制した結果。メカニックもエンジニアも、スタッフ全員が、キッチリ自分の仕事をする。もちろんドライバーはドライバーで、それぞれのパートをしっかりこなす。その結果としての5位入賞だと思います。9位前後を走っていた時もありましたが、その“紙一重”を制したことで、5位にジャンプアップできた。今日は、エンジンがパーコレーション気味で、辛い部分もありましたが、ドライビングもピットインも、本当に完璧な仕事ができました。その評価として、キチンと結果がついてきた。そういうことだと思います。あと、周囲からも『速くなったね!』と見られるようになったことも、今回の収穫です。それは確実なトラクションを武器にするAWDに加えて、3つのデフやLSDというパッケージング。その中で、これまで見えなかった部分やわからなかった部分が、少しずつ、見えてきた。そうやって(不明な部分を)一つずつ潰していったことで、完成型に近づいてきたんじゃないかと思います。次(の目標)は表彰台です。この後、菅生、鈴鹿と続きますが、中でもトラクションが勝負の鍵を握るもてぎでは、AWDの威力がフルに発揮できると思います。期待していて下さい。」 ●スタッフボイス:荻久保寛テクニカルディレクター 「パーコレーションの症状が出て、ポジションを下げる場面もあったけど、それ以外では、クルマの状態は悪くなかったですね。熱くタフなレースになりましたが、自分たちが思っていたような展開で、好い結果に結びつけることができました。」 ![]() ●ドライバーズボイス:山野哲也選手 「クルマのバランスは良かったです。タイヤも、今日の路面にはマッチしていたみたい。ここまで(事実上は)リタイアが続いていましたが、ようやくレースができた気がします。予選でも11位と、これまでよりワンステップ進歩しています。でも、まだまだ課題は残っています。マレーシアにいる間だけは手放しで喜んで、日本に帰ったら、次のレースに備えます。」
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![]() ![]() フリー走行。山野選手の走りをモニターでチェック ![]() ![]() フリー走行のピットイン・シミュレーションではバーコレーション対策で、消火器(消化ガスで冷却する)を準備する ![]() 湿度の高い猛暑の中、スポットクーラーが大活躍 ![]() ![]() ドライバーの命の綱、クールスーツ用の氷を捕球する ![]() これも暑さ対策だ!レーシングスーツのポケットに氷を入れる。 ![]() ![]() ゴールするマシンを迎え入れるスタッフ ![]() チェッカー後は誰も彼もが握手責めに ![]() 熱いレースを闘い抜いたインプレッサ
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| |Rd.4決勝 Round 4 SUPER GT INTERNATIONAL SERIES MALAYSIA| |


















































